二代目上野為二とは!?


記事をご覧いただきありがとうございます。



ここでは、友禅作家

二代目 上野為二 について


京都の工房を取材させていただいた
体験をもとにご紹介します。



 

「二代目上野為二」の世界

京友禅の名家
上野為二をご存じでしょうか。

二代目上野為二とは、
京都に工房を構える

手書き友禅作家です。

上野為二の特徴は
繊細で奥深い独自の
作風にあります。

その作風のルーツは??
如何にして描かれるのか??

紹介していきます。
 

img_1248.jpg img_1257.jpg img_1258.jpg img_1259.jpg

二代目 上野為二のルーツ
初代 上野為二とは

二代目上野為二の祖父にあたる
初代上野為二は

1955年に始まった 最初の重要無形文化財及び保持者に 認定された方です。

つまり 人間国宝第一号 の一人なのです!!

もちろん 京都で初! 「友禅」で初! の人間国宝なのです。

ちなみに 1955年同時に認定された方には 加賀友禅の木村雨山 京友禅の田畑喜八 がいらっしゃいます。


 

二代目 上野為二のルーツ②

京友禅の名家 上野一家とは

初代の上野為二の父にあたる

上野家初代
上野清江(セイコウ)は図案家として
当時の百貨店などから誂えの仕事を受注し
活躍していました。

上野家二代であり
初代上野為二は作家として

・友禅染の一貫制作
・別家制度
(弟子を育てて独立させる)

・古代加賀の研究

を始めます。

二代目上野為二氏はお話を伺った際、
「初代上野為二の弟子は何でもできた。」
とおっしゃていました。

つまり、
現在は分業が大半の京友禅の工程

(下絵、糸目糊置き、色差し、
地入れ、伏せ糊、地染め、など・・
※それぞれ何年も修行が必要と言われます)

を一人で行えるように
弟子を育てられていたのですね。



初代上野為二(上野家二代)の息子は2人
・忠夫(上野家三代・二代目上野為二の父)
・清二


現在上野家は
四代として忠夫氏の子
真氏が
2003年に二代目上野為二を襲名し、

清二氏の妻
上野街子氏が工房「清染居」を開き
活動しています。


二代目上野為二の作風は
代々続く
友禅染の名家上野家の伝統から
生み出されているのです。


下の写真は、
初代上野為二が最後に着手
(製作途中に亡くなる)

息子二人が完成させた作品
(実物は国立博物館所蔵)


「歓」

何が描かれているかわかりますか??
 







正解は・・・

「バラの花」


です。
「真実は奥の奥を覗いてみないとわからない」
という考えからデザインされたそうです。

うーーん・・
とても芸術的で深いです・・・・




二代目 上野為二の作風

忘れてはならないのが
初代上野為二の行った
古代加賀の研究

これが作風に大きく影響しています。
 

写真は見学させていただいた
京都市中京区猪熊通りにある
「上野工房」

主に図案制作をされる部屋で
図案の元となる資料蔵書が
たくさん並んでいます。


上野為二の作風は
「京加賀」
といわれます。

初代上野為二は
古代加賀の研究を通じて
京友禅に加賀友禅の趣きを加えた
技法を生み出しました。

また、
日本画と洋画双方の技術を学ぶことで
絵画的テーマと表現を深めています。


これを、
二代目上野為二は引き継ぎ
「古代加賀の柄行を現代調へ」
をテーマとして制作をされています。
 

二代目 上野為二の驚きの技法

京友禅でありながら
抑制された色調と
絵画のような細やかな表現

そんな「京加賀」
生み出しているのは

「細やかな糸目」
に特徴があります。

糸目とは・・・・
染料がはみ出さないように
下絵の輪郭線にそって
米粉を材料とした糊を置いていく工程

糸目を失敗すると柄が崩れてしまうため
とっても重要な工程になります。
 

この松を見てください。
松のなかに平行に書き込まれた
何本もの線・・・

これも細やかな糸目技術の
成せる表現です!

細やかな糸目は途切れやすく
通常よりもゆっくりと
緊張感をもって引いていかなければ
なりません。

また、
糸目を置いた後の色差し工程でも
柄行が繊細なため
染料が溢れないように
通常よりも糊の配分を多くした
どろどろの染料を筆で染めていく
ことになります。

どろどろの染料は
何度も何度も塗り込むような
タッチを重ねないと
生地に浸透していかないため
ここでも根気のいる作業が
必要となります。

色を重ねる「ボカシ」においても同様・・
 

このような職人技で
一枚一枚時間をかけて描かれる
上野為二の友禅・・

美しい松や茶屋辻、
芸術的な作品も数多くあります。

そんな上野為二氏ですが
「跡を継ぐ5代目はいない」
とのこと・・・。

それどころか
今制作を手伝っているお弟子さんの
一人でも欠けると
もう年に数枚しか作れなくなってしまうのだとか。


今後、上野為二作品のような
手仕事のきものはどんどん貴重になっていって
しまうと思われます。



この記事で興味を持たれた方は

9月5日(土)6(日)7(月)
岡谷「きもの屋そねはら」まで

足を運んで実際の作品を
ご覧になってみてください。